mojotone knockout jazzmaster ピックアップ レビュー(OJ愛もちょっと語ってる) ※追記あり2021/4/17
三度の飯よりジャズマスターが好き
大分前に所有しているFender Japan製のジャズマスター(おそらくJM66)のピックアップを交換したので簡単なレビューをご紹介したい
ピックアップ交換の経緯
誰も観てないだろうけど,どうして交換したのかも語らせてほしい.
筆者,ストレイテナー(ex. ART-SCHOOL・another sunnyday)のOJこと大山純が大好き侍
かつてはFender USA製のエルヴィス・コステロモデルをメイン機・Fender Japan製のジャズマスターをサブとしてしばらく使用していたが,現在のメインはFreedom Custom Guitar Research(FCGR)のジャズマスターを愛用している模様
なお2020年後半から同メーカー製の2代目ジャズマスターに乗り換えている.
(FCGR製Hybrid Humbuckerが載っており,青系のサンバースト塗装)
ギタリスト大山純(ストレイテナー)氏よりご依頼いただき、さらなる進化を遂げたバンドサウンドに対応すべく新たに誕生した2HB仕様の【Retro JM】。
— Freedom C.G.R. (@Freedomcgr) October 16, 2020
無限のサウンドヴァリエーションを誇る、「OJ2号機」の活躍を乞うご期待ください!#ストレイテナー #大山純 #freedomcgr #フリーダム #ギター #fcgr pic.twitter.com/KCytFssov0
それ以前はキャンディーアップルレッド塗装が光るジャズマスターにFCGR製F-90(GibsonP-90のオマージュと思われるPU)を載せたものを使用していた.
OJモデル 完成っ!! pic.twitter.com/AT7yOktbWl
— 大山 純 ストレイテナー (@OJ_Japan) April 25, 2016
OJがこのギターをオーダー後,たまにFCGRがレギュラーラインでジャズマスターを製造するようになっているようだ.しかしながら,ヴィンテージ志向のシリーズとして製造されているためかMastery Bridgeを搭載していなかったりと差異もある.(そのほか一般的なジャズマスターリズムサーキットを搭載しているっぽいOJジャズマスターに対して,レギュラーラインのリズムサーキットはローカットトーンになっているなどの違いもありそう)
P-90仕様ジャズマスターピックアップの選択肢
OJ大好き侍としてはこのギターは買えないけどせめてPUぐらいは同じものにしたかった.しかしながら,F-90のジャズマスターマウントは市販されていない模様.(メーカーに問い合わせたわけではないが,少なくともデジマート等では出てこなかった)
そこで方々似たような仕様のピックアップを探しまくった結果,以下の選択肢に絞られた.
- Retro Tone Pickups/P-90JM "The Egg"
日本製で構造もP-90に倣ったもの.ただしアジャスタブルポールピースではないところが少々残念.一つ13,200円と微妙に値が張ることもあり断念.
- MojoTone/Knockout Jazzmaster Pickups
アジャスタブルポールピースで構造もP-90とほぼ同一.
日本ではディバイザーが代理店を務めておりmomose等にもMojoTone製のPUが載っている模様.ほかにもストラトやテレ向けのP-90構造PUを製造しているので自社通販をぜひチェックしてみてほしい.
ただしMojotoneの自社通販で購入するより2倍ほど高額になるため,今回は自社通販で購入することにした(セットでも$149.95+送料で$50程度とディバイザーに3万円も払うより大分安かった)
Mojotone/Knockout Jazzmaster Pickupsのレビュー
それではレビューに移ろう.
公称スペックは
- フロントの直流抵抗値が8kΩ
- リアの直流抵抗値が9kΩ
- コイルは1万巻ぐらいらしい
なのでシングルコイルにしては出力が高め,ヴィンテージ系のハムバッカーのほうに近い.(だいたい低出力(ヴィンテージ系)シングルコイルなら6~7kΩあたり,PAF系なら9kΩあたりの模様)
換装に際してだが,少なくとも筆者の所有ギターではピックガード等の加工は一切必要なくそのままポン付けで対応できた.(ピックアップカバーも付いてきたのでオリジナルのクリームからブラックに交換してある)
なお前述の通り,出力が高めなのでピックアップの高さを以前より下げて使用することにしたが,高さ調整用のスポンジを入れ替えなかったため少々問題が発生した.
というのもあまり高さが下げられないのである.つまり,高さを下げすぎるとピックアップ側のネジも下げられなくなり,ポールピース側もスポンジに干渉して下げられなくなるので,場合によってはスポンジを低いものに交換したほうが良いと思われる.(筆者の場合は面倒だったのでそのままにしてある)
肝心要の音色について
もともとFender Japan製のジャズマスターはUSA製のヴィンテージや現行ラインのものと比べるとシャリシャリとした音質である.(日本随一のジャズマスターフリーク マツナミヒロキ氏談)
そのため換装後の感想としては,
- とても中域がねっとりしているがシングルコイルらしさも十分ある(皆が思うこれぞP-90系のサウンド)
- 出力が大きいので他のシングルコイル系のギターとは共存難しめ(ハムバッカーだと思ったほうがいい)
- 音色の変化に疎い筆者(ベースでもよくPUを交換しているが正直違いがあまりわからん)でも,ハッキリと音色が違うことがわかるレベル
換装前は改造して直列配列にするほど(つまり,高域が減りシャリシャリ感が薄れる)だったが,換装後は良い具合のバランスになり,フロント・リア・ミックスポジションいずれも使える音になったと感じている.
雰囲気としては田淵ひさ子サウンドに多少近づいたのではと思った.(もちろんOJ系統の音にもちょっとは寄ったかなと思う)
(ただしジャズマスターが好物の筆者だが,ヴィンテージは弾いたこともなく,脳内リファレンスに乏しい点については留意してほしい)
また,USA製のジャズマスターは試奏で何度か弾いたことはあるが,それと比べても遜色のないサウンドを奏でているのはと思う.(あちこち改造して理想に近づけたとというアドバンテージはあるが)
終わりに
Mojotone製ピックアップは日本国内ではあまり人気がなく,知る人も少ないと思ったので何かの参考になればと思い筆を取るに至った.
結果としてはお安いのに良質なピックアップでコスパええやんと思った次第.
残念ながら換装前の音色を録ることを忘れていたため,音声は載せられなかった点が唯一の心残り.
それではよいジャズマスターライフを!
追記
後日リペアショップに改造へ依頼した際に「このままだとザグリの深さが浅すぎてピックアップの高さが下げられませんよ」という指摘を受けたため,ザグリを掘り下げてもらった.
このピックアップ,P-90構造のアルニコマグネットの厚みが追加されるため通常のものより厚みがあるようなのだ.(比較的厚みがあるFender Japan製から交換したのだが,結局追加ザグリが必要だった)
この点にご留意して交換することをおすすめしたい.