Mastery Bridge M2をレビュー
かねてから狙っていたが,その値段の高さからポチるのを躊躇っていたMastery Bridgeをその場のノリで入手,装着してみたのでレビューしてみる.
装着してみて感じたデメリット
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生音・出音が共にパキッとする
耳の良いギタリストはこれを「立ち上がりが早い」というのだろうか.
オリジナルのブリッジと比べると,自分の印象としてはパキッとすると感じる.
音の分離感も良いと感じる.何を弾いてるのかがハッキリとわかる分,腕が試されているかもしれない. -
生音がデカい
ピックアップから出力される音量にあまり差は出ないと感じた(装着のついでにピックアップの高さを下げた影響もあるが)
一方の生音だが,ブリッジ周りの音量が非常に大きくなった気がする.減衰していた分がきちんと伝達されるようになったということだろうか?
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ガタつきが無くなった
ブリッジポストがスタッド内径とほぼ同一なため,ガタつきが無くなった.
オリジナルのブリッジも応急的にマスキングテープでガタつかないようにしていたが,交換後はポストとスタッドの接触する面積が大幅に増えているため,これが生音の大きさに起因するのかもしれない.
デメリット
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調整が意外とダルい
ブリッジを構成するネジは全て六角ネジなため,プラスネジのようにちょっと合ってない大きさでも回せるというメリットがない.
他レビューを見ると六角レンチは1種類でいけると書いてあるものもあるが,オクターブ調整ネジは3/32インチ,サドルの高さ調整とポストの高さを変えるレンチ(厳密なサイズは不明),ポスト自体を固定するためのレンチの3種類が必要だと思われる.
特にオクターブ調整ネジが硬めの感触なため,
1/3周ほどネジを回す→六角レンチを外してちょっと回してはめなおす
の繰り返しになり意外とダルい.
ただ良い点もあって,調整箇所はオリジナルのブリッジが弦6本分のオクターブ調整,サドル高さ調整ネジ12箇所,+ブリッジ全体の高さを2箇所のポストで調整する必要がある(更にブリッジ土台の壁が弦に当たらないように微妙な調整する必要がある等,全体的にシビア)のに対し
Mastery Bridgeは弦4本分のオクターブ調整(2,5弦は犠牲になる)とサドルの高さ調整4箇所,ブリッジ全体の高さは大雑把に調整すればいいため,この点はラクである.
更にオクターブ調整ネジが弦の下にある煩わしさが解消される.
また,バズストップバーを付けていても六角レンチならL字なので大体入る.これは地味に便利.
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音の変化を嫌うかどうか
構造等の差異が大きいため,先述した通り音の変化がある.
いわゆるジャズマスターらしさは薄れて,現代的な使いやすい音に変化するといった感じだろう.
求めるモノが違う場合はおすすめできない.
終わりついでの閑話
ちょっと不出来なところが愛しいジャズマスターがさらに使いやすくなってしまった.
ビンテージ志向ではないので,以前行ったピックアップ交換と併せて一つの正解にたどり着いた気がする.
ブリッジ交換と合わせてマグナムロックペグへの交換(ブッシュの交換で手を痛めたのがつらい),ピックガードをアノダイズドにしてみるなど,いよいよ弄っていないところがボディ・ネック・ナットのみになってしまった.
これでOJのジャズマスターに近づいたな!と思ったら本人は2号機を作っちゃうし,FCGR製のホンモノは意外と音が大人しいのである(この前楽器屋で試奏して気づいた)
そのせいで2号機に載っているHybrid Humbuckerピックアップが気になってしまい,この前FCGRの事務所に行って試奏したところ,しっくり来てしまい購入を予定している.
次のピックアップ交換の犠牲者筆頭候補はFender Sixty-Six,こいつにも良い音になってもらおうではないか…
とにもかくにも高額なパーツではあるが,現状のブリッジに不満があるならぜひおすすめしたい(テレキャスター用,リッケンバッカー用のラインナップもあるよ)