好きに語らせろ

ITとギター機材について語らせてほしい

君はHHKB Studioを使いこなせるか【使い始めて一日経ってからの初期レビュー】

PFU Directを始め各種オンラインストアでは依然として入手困難なHHKB Studio

実は正規価格で購入出来る店舗があり、そこに出向いて購入してみた。

使い始めてからはまだ一日だけなのだが、発見も多いので所感を書いていこうと思う。

打鍵感どうなん

実は購入前に遊舎工房で実機を触ったことがあり、打鍵感についての感触は知っているつもりだった。

その時は構造が違うにしろHybrid Type-Sと結構似せて作っている印象を持った記憶がある。

ただ実際に購入したHHKB Studioと以前から所有しているHHKB Hybrid Type-Sをひたすら打ってみると静音性が向上していることに気付いた。

Hybrid Type-Sでも十分に静かだが、比較するとカチカチ感が目立つ。

Hybrid Type-S単品だとスコスコ感を真っ先に感じるだろうが、比較するとスコスコ感じるのは実はStudioのほうだと思った。

重さについてはユーザー毎で印象が異なるようだが、個人的には僅かにStudioのほうが軽く感じる。

これは打鍵した時の反発が抑えられて底打ちを感じやすくなったせいかと思う。

ポインティングスティックどうなん

梅干しの先駆者といえば偉大なるThinkpad

これ特許ちゃうん?と思いきや切れてるっぽい情報は目にした(真相は調べていないので不明)

 

実は先代の業務用PCがThinkpadだった影響で使ったことはあるが、あえなく挫折した経験を持つ。

じゃあ今回もアカンのでは?と思われるかもしれないが、今回こそ仲良くなれそうな予感はしている。(意外とコツを掴めば使いやすいのである)

 

まず先達のレビュワーと共通の感触ではあるが、マウスやトラックパッドほどの精密作業は向いていない。

映像編集や画像編集、絵描き用途におけるポインティングスティックの代用とするには精密さに欠けている。

 

では梅干しが大活躍する場面はどこか?と言われればウェブブラウジングやプログラミング等の精密なポインティングがさほど重要ではない時じゃなかろうか。

こいつの役割の重要さは「キーボードから手を離さずマウスポインタを移動させられる」という点に尽きる。

ウェブブラウジングでは多少ズレたとてクリックは可能だし、手練れのプログラマであればプログラミング中にマウスに頼る場面は意外と少ないはずなので、数少ない場面でわざわざマウスに手を移す行為が減るのは恩恵が大きい。

ジェスチャーパッドどうなん

Thinkpad keyboardとHHKB Studioで決定的に違うところといえばジェスチャーパッドの有無だろう。

じゃあ使いやすいかと訊かれたら…「現時点では微妙」という回答になる。

これに割り当てて恩恵が発生するキー割り当ては「連打が前提の操作」であり、ブラウザ等のスクロールはFn2キー+ポインティングスティックのほうがやりやすいし、デフォルトで右前面に割り当てられているウィンドウ切替みたいなやつは実は操作がしづらい。

例えば音量操作は「頻繁に発生する操作でもないし、撫でるという操作が直感的」という理由でジェスチャーパッドに割り当てるのが良い機能だと思った。

 

ジェスチャーパッドの操作はホームポジションからの離脱が伴う操作なので、確かにHHKB自体のコンセプトから少々逸脱しているとは思う…が、使いこなせれば強力なアイテムのひとつだと思う。

 

ただ決定的にダメなのが感度。

どうやら誤操作を抑えるためにタッチしてからすぐは反応しない設定になっているようで、触っている途中に突然動き出す挙動をする。

これがとにかく微妙。

あとは感度調整をしても反応しないタイミングがあったりするのも嫌だなぁと思った。

これだけはどうにかしてほしい。

 

結論:カスタマイズで使いこなそう

初期設定だと使いこなせないというのが一日経ってからの感想。

HHKB Studioの一番の強みはジェスチャーパッドやキーバインドを駆使して自分好みの動作を設定出来る点ではなかろうか。

例えばポインティングスティックのクリック操作は初期設定だと無効化されているが、使えるようにしたほうが確実に利便性は良いし、個人的には左Fnキーは使いづらいのでCtrlキーに変えたりとちょこまか設定を変えている。

Fnキーが3つまで割り当てられるところと、設定自体が本体に4つまで記憶させられるというカスタマイズ性の高さを使いこなせなければ、敢えてこの高級キーボードを買う理由は無いとも思う。

 

あえて言おう!君は使いこなせるかと

iPad AirからSurface Proに買い替えた

最近ふと衝動に駆られて中古で購入したiPad Air Gen4からSurface Pro 9に買い替えた。

結果買い替えて満足の行く点と少々不満も出てきたのでざっくり報告していく。

タブレット遍歴の紹介

  1. Amazon Fire 7 Gen7
  2. Apple iPad Air Gen4 Wi-Fi 256GB
  3. Microsoft Surface Pro9 Core i5/256GB

どうして買い替えたのか

1台目のタブレット端末から徐々に大型・ハイスペック化し、結局2in1 PCに落ち着くことになった。

Fire 7はやはりローコストモデルが故に動作がもっさり気味だったこと、2020年当時は良質なAndroidタブレット端末が見つからなかったことからiPad Airに買い替えることにした。

 結果、ここ数年間のタブレット生活はiPadで満足出来ていた。

ただ不満は積もっていき、結局はSurfaceを購入することになった。

  • モバイル向けOSなのでマルチタスクが出来ない。
    結局ここが一番不満点としては大きかった。例えばYouTubeを観ながらネットサーフィンするにもPremium契約をしないといけなかったり、Amazon Prime Videoを観ながらTwitterを徘徊するにはスマホを併用する必要がある等。

  • iPad OSが肌に合わない。
    スマホはずっとAndroid系統、PCもWindows(仕事ではLinux系も使っている)ばっかなのでApple製品が合わなかった点も大きい。
    ある程度は慣れてきたのだが、やっぱり使い慣れているOSが一番良い。

  • 指紋認証だけだと使いづらい。
    これは些細なことなのだが、スリープからの復帰に顔認証が無いと手軽さに欠ける。またiPadの場合、指紋リーダーは電源ボタンと共用なので電源ボタンを押したついでに認証されてロック解除も出来るのだが、仕様上しばらく使っていないとパスワードが要求されるのがイラっとする。

ざっとした不満点は以上だ。

買い替えてよかった点・不満点

よかった点

これは前述の不満点の裏返しである。

この記事もアニメを観ながら書いているし、別タブでTwitterYouTubeを開くことは造作もない点が素晴らしい。

モバイルOSの場合、基本的に電源は落とさず常時スリープが前提だが、Windowsとなるとしばらく使わなければ電源はOFFにするのが前提だ。

ただ電源を落としても復帰するまでのスピードは十分早いため、さほど問題にはならない。

ロック解除もWindows Hello 顔認証がサクッと通してくれるのでストレスフリー。(指紋認証が無くても別に困らない)

Windowsタブレットモードで使うのは正直どうなんだと半信半疑ではあったのだが(WIndows 8の酷評ぶりを思い出し)、Windows 11は大分改善されているようで今のところ大きな不満は感じていない。

イマイチなところ

  • 重くてデカいし、メインPCにするにはパワーが足りない。
    仕方のないことだが、2in1 PCは結局どっちつかずではある。
    タブレット端末ほど軽量でなければ、モバイル性も劣る。
    これらを重視すればProではなくGoのほうが向いているのだが、最新版のGo 3は発売が2021年とちょっと古いのと、CPUがPentiumでモッサリ感を予見して結局Pro 9にした。

    じゃあPro 9で結局パワー面は満足かと言われるとそうでもない。
    メモリ8GBでは性能面でのバランスが悪いのだ。

    Core i7が必要なほどハイパワーな作業をSurfaceに担わせる気は無かったのと価格が上がりすぎてしまい手が出せなかったので、Core i5搭載モデルにしたのだが、メモリを16GB載せられるのは法人向けに限られてしまっているので事実上の選択肢が8GB一択になる。

    まぁ足りんだろうなぁ…と覚悟して新品を買ったのだが、それほどアプリを立ち上げなくてもメモリ使用量が70%を平気で超えるので遠慮しながら使うことになってしまった。

    結局こうなるとCore i5の性能を活かせる使い方は難しい。

    後はごろ寝して両手で持ちながら使うには重いし、サイズもそれなりにあるので親指で操作するにはギリギリだ。
    やっぱいろいろ中途半端な点は否めない。

  • バリエーションの少なさから選択肢が限られる。
    外出先でも使えるようにセルラーモデルを選ぶとCPUがArm版のSQ3になってしまう、個人向けCore i5搭載モデルの選択肢がほぼ無い点も併せて取捨選択を迫られるのが微妙なところ。

    オールインワンの何でも出来る版が欲しいが難しいんだろうなぁ…。

  • 純正アクセサリーの値段が高すぎる。
    出番は少なかったものの、iPad時代はApple Pencil2を使っていたのでSurfafeペンも買うことを検討したが、気軽に充電するにはSignature Keyboardがほぼ必須になってしまい同時に購入するのはやめた。

    普通ならPCで使うことが前提なのでキーボードも必須だろうが、外出先で使うのはごくまれだったこと、自宅で使うならHHKBとマウスをBT接続で使えば十分なので必要性に迫れられたら買えば良いと思った次第。

    公式ストアで付属品の20%オフセールをしている時に本体を買ったが、それでもお得感に欠けたのも大きい(別の販売先のほうが安かった)。
    (中古品も全然安くないので(その分リセールバリューが高いだろう)しばらく様子見する予定)

じゃあ結局買いなのか

結果的に満足してはいるのだが、それは性能面は割り切って使っているからこそだ。

17万円も出してこの程度なので、一般ユーザーにはおすすめしづらい。
(こういう詰め込み系ガジェットが好きな物好きにはギリギリおすすめ)

重労働を軽々とこなすスペックを求めてCore i7搭載モデルを買ってもおそらく排熱の悪さが付きまとうと思われる。(Pro 8で悩まされている知り合いが居るため)

結局最適解としては用途ごとに端末を使い分けることなのだが、そこまでやるのはオタクだろうし当然金も掛かるのでどっかしら妥協するのがベターか。

まとめ

Surface Proが良いというより、Windows 11の出来の良さに改めて気づいたところが大きい。

そのため端末自体は玄人向け。

よく比較検討することをおすすめする。

 

素人がQuadCortexをざっくりレビューする

予約していたQuadCortexの順番が回ってきたので、大枚を叩き入手してみました。

10月頭から3週間ほどギターとベースの両方で使ってみて気づいた点を、元々使用していたHelix LTと比較しながら書いていきます。

 

最高なところ/致命的にダメなところ

真っ先に挙げられる良い点は軽量なところですね。

ハイエンドなフロア型マルチ同士で比較してみると、群を抜いて軽いことが改めてわかります。

巨大なエフェクターボードを組んでいる方からすると、Helix LTの重量でも「まだいけるだろ」とも思えるぐらいではありますが、持ち運びに相当苦労していた身としてはこの軽さは驚異的です。

参考までに公称値を載せておきます。

  • Helix:6.6kg
  • Helix LT:5.7kg
  • KEMPER PROFILER STAGE:4.6kg
  • QuadCortex:1.95kg

また、元々コンパクトなことも相まって、ギグバッグのポケットに入れて持ち運べるようです。(まだ自分では試せていません)

 

一方致命的な点がひとつあります。

それがシャットダウン時のノイズです。

XLR outにスピーカーやアンプ等を繋いだままシャットダウンすると「ブツッ」という割と大き目な音が鳴ります。

これはQC側のボリュームをゼロにしても消えませんので厄介な問題です。

公式はQCをシャットダウンする前にスピーカーやアンプ側の電源を落とす等の対策を推奨していますが、そんなめんどくさいことを現場でするのは困難ではないでしょうか?

(調べた限りだと日本語で問題視している人を見つけられなかったので、皆さん何かしらの対策をしているのでしょうか…?)

いずれにせよ非常に重要な問題だと思うので、ソフトウェア側でどうにかなるのであれば今後のアップデートに期待したいところです。

cortex-support.neuraldsp.com

それでは使ってみて良かった点・イマイチだった点を挙げて解説していきます。

良いところ/ダメなところ

Neural Captureが凄いといった点ばかりが注目されていますが、そういった大きなポイントはここでは省略して、実際に使ってみて気づいた細かいポイントを深掘りしていこうと思います。

  • 使えるアンプモデルやエフェクトが増えた。
    Helixを使っていて「このアンプモデルってこんな変な音がするの?」とか「このエフェクター、実機と全然音が違うんじゃないか」というモヤモヤを抱えることが多々ありました。
    それを念頭に置いてQCを使ってみると、実機のクセは掴みつつもEQ等がフラットでも即使えるようにチューニングされているような印象を受けます。
    特にすごいのが最近のアップデートで追加されたFuzz Faceのモデリングです。
    これはギター側のボリュームを下げたり、ハムバッカーとシングルでの出力差による挙動の変化等を再現するためのパラメータを増やしており、特にPICKUP VOLUMEの値を弄ることでガラッと音が変わります。(実機のような鈴鳴りからクランチサウンド等を再現したり出来ます)
    まだまだ本物には敵わないまでも、Helixで感じていた「ファズは結構微妙だな…」という印象が拭えるくらいには進化していると思います。
    あとは今後のアップデートでFuzz Factoryのような発振系を入れてくれたら最高ですね。

  • 操作性の改善
    やはりフルカラーディスプレイにタッチパネルを搭載したメリットは大きいです。
    Helixでボタンやツマミをカチカチしながらしていた操作の大半がタッチ操作に置き換わったのは良い点です。
    一方気になるのが、フットスイッチやディスプレイ自体の耐久性です。
    私はHelix LTを中古で購入したのですが、使用し始めてからすぐにエクスプレッションペダルが「ギィギィ」と言い始め、今度は1年ぐらい経ってから使用頻度の高いフットスイッチの接触が悪くなってきました。
    この点を踏まえるとこの先どれだけ活躍できるか不安が募ります。
    特にフットスイッチはツマミを兼用しているという複雑な構造ゆえにどれだけ持つのでしょうか?

    • アサインできる操作の少なさ
      Helixではスナップショットを用いてプログラマルスイッチャーのような複雑な操作切り替えをフットスイッチ一つで行えました。
      これはQCでもSCENEモードでほぼ再現が出来ます。
      ただHelixではスナップショット以外でも、コマンドセンターを使うことでプリセット切り替えとエフェクトの切り替えを同じモードで行えます。
      また、1フットスイッチに複数の機能をアサイン出来ることを利用して、アンプの切り替えをスナップショット以外でも行うことが出来る等、結構万能だったんですね。
      これがQCになるとSTOMPモードでは1フットスイッチで出来る操作は1エフェクトのON/OFFだけだったり、エクスプレッションペダルのToeスイッチを利用してボリュームとワウを切り替えたりするような複雑な操作は出来ません。

      これらを「よくわかんない項目が多いから怖くて触れない」ことの解消と捉えるか、「高額なくせして出来ることが少ない」と捉えるかはユーザー次第なところでしょうか。

    • アンプモデルで弄れるパラメータが減った
      Helixではバイアス等のパワーアンプ側の挙動もシミュレート出来ました。
      しかしながら、QCではこれらの項目が一切ありません。
      私はこれらのパラメータを弄ったことがないのでダメージは少ないのですが、使い込んでいたユーザーにとっては地味に痛手になるんじゃないかと思います。

    • やはりまだまだエフェクト数が足りない
      万人受けするようなアンプやエフェクトは現時点ではほぼ入っています。
      一方、特定のユーザーに刺さるようなニッチなもの、地味にあると便利だなといったものは無いのが現状です。
      また、まだまだベース系のアンプとエフェクトが少ないです。
      これを補うように結構な数のNeural Captureがプリインストールされているのですが、ここはHelixでも手薄だった点ではあります。
      開発経緯を考える(ベースに強いDarkglassと結びつきが強い点)と、今後のアップデートで解消されることに期待です。

    • コンパクトだが…
      Helixは7㎝四方でフットスイッチが配置されています。私のように足の大きな人だと、これでもちょっと狭いかなと思うくらいでした。
      一方QCは左右が6.5㎝で上下が5㎝間隔で配置されています。
      実際に踏んでみると結構キツキツだと思いました。

    • PC用エディタが無い
      今後HX Editのようなアプリがリリースされる可能性もありますが、今のところQC本体の遠隔操作は出来ません、
      そのため足元に本体を置いている場合、腰を屈めて操作する以外の方法が無くなります。
      (Helixだとペダルエディットモードがあるため、足だけでエフェクトのゲインやボリューム等を弄ることも出来ます)

      私の場合、やはり手元で操作したかったことから、QC本体は卓上に置くことにしました。

  • 結局は上記の理由(フットスイッチにアサイン出来る操作の少なさや故障を避けるため等)から、コンパクトさを犠牲にして多機能なMIDIフットスイッチを追加することにしました。

    自宅で使用する際はしばらくこのシステムでいきますが、スタジオやライブでどうするかは未定です。

終わりに

一応機械学習関連の仕事をしているので、こういったモノにAIが搭載されたことへの感動や興奮は大きかったんですが、実際に使ってみるとまだまだ課題点も多いですね。

また、発売自体はされましたが、現状易々と入手できない点やセカンドロッドから早くも値上げしたりなど、敷居の高いデバイスであることは間違いないです。

そして、まだまだ発展途上だなという印象も強いです。
KEMPERリグのように今後公開されていくキャプチャも増えていくでしょうし、機能追加が予定されている既存プラグインが使えるようになれば更に使えるマルチプロセッサーとなるでしょう。

ですので、現状買いかと言われると結構微妙なところです。

 

あまり踏み込んだことは書けませんでしたが、参考になれば幸いです。

ここどうなってるの?等の質問もお待ちしています。(あくまで素人なので、プロミュージシャンのような高度な質問にはお答え出来ないかもしれませんが…)

Mastery Bridge M2をレビュー

かねてから狙っていたが,その値段の高さからポチるのを躊躇っていたMastery Bridgeをその場のノリで入手,装着してみたのでレビューしてみる.

装着してみて感じたデメリット

  • 生音・出音が共にパキッとする

    耳の良いギタリストはこれを「立ち上がりが早い」というのだろうか.
    オリジナルのブリッジと比べると,自分の印象としてはパキッとすると感じる.
    音の分離感も良いと感じる.何を弾いてるのかがハッキリとわかる分,腕が試されているかもしれない.

  • 生音がデカい

    ピックアップから出力される音量にあまり差は出ないと感じた(装着のついでにピックアップの高さを下げた影響もあるが)

    一方の生音だが,ブリッジ周りの音量が非常に大きくなった気がする.減衰していた分がきちんと伝達されるようになったということだろうか?

  • ガタつきが無くなった

    ブリッジポストがスタッド内径とほぼ同一なため,ガタつきが無くなった.

    オリジナルのブリッジも応急的にマスキングテープでガタつかないようにしていたが,交換後はポストとスタッドの接触する面積が大幅に増えているため,これが生音の大きさに起因するのかもしれない.

デメリット

  • 調整が意外とダルい

    ブリッジを構成するネジは全て六角ネジなため,プラスネジのようにちょっと合ってない大きさでも回せるというメリットがない.

    他レビューを見ると六角レンチは1種類でいけると書いてあるものもあるが,オクターブ調整ネジは3/32インチ,サドルの高さ調整とポストの高さを変えるレンチ(厳密なサイズは不明),ポスト自体を固定するためのレンチの3種類が必要だと思われる.

    特にオクターブ調整ネジが硬めの感触なため,

    1/3周ほどネジを回す→六角レンチを外してちょっと回してはめなおす

    の繰り返しになり意外とダルい.

    ただ良い点もあって,調整箇所はオリジナルのブリッジが弦6本分のオクターブ調整,サドル高さ調整ネジ12箇所,+ブリッジ全体の高さを2箇所のポストで調整する必要がある(更にブリッジ土台の壁が弦に当たらないように微妙な調整する必要がある等,全体的にシビア)のに対し

    Mastery Bridgeは弦4本分のオクターブ調整(2,5弦は犠牲になる)とサドルの高さ調整4箇所,ブリッジ全体の高さは大雑把に調整すればいいため,この点はラクである.

    更にオクターブ調整ネジが弦の下にある煩わしさが解消される.

    また,バズストップバーを付けていても六角レンチならL字なので大体入る.これは地味に便利.

  • 音の変化を嫌うかどうか

    構造等の差異が大きいため,先述した通り音の変化がある.
    いわゆるジャズマスターらしさは薄れて,現代的な使いやすい音に変化するといった感じだろう.
    求めるモノが違う場合はおすすめできない.

終わりついでの閑話

ちょっと不出来なところが愛しいジャズマスターがさらに使いやすくなってしまった.
ビンテージ志向ではないので,以前行ったピックアップ交換と併せて一つの正解にたどり着いた気がする.
ブリッジ交換と合わせてマグナムロックペグへの交換(ブッシュの交換で手を痛めたのがつらい),ピックガードをアノダイズドにしてみるなど,いよいよ弄っていないところがボディ・ネック・ナットのみになってしまった.

これでOJのジャズマスターに近づいたな!と思ったら本人は2号機を作っちゃうし,FCGR製のホンモノは意外と音が大人しいのである(この前楽器屋で試奏して気づいた)

そのせいで2号機に載っているHybrid Humbuckerピックアップが気になってしまい,この前FCGRの事務所に行って試奏したところ,しっくり来てしまい購入を予定している.

次のピックアップ交換の犠牲者筆頭候補はFender Sixty-Six,こいつにも良い音になってもらおうではないか…

 

とにもかくにも高額なパーツではあるが,現状のブリッジに不満があるならぜひおすすめしたい(テレキャスター用,リッケンバッカー用のラインナップもあるよ)

 

キーボードには金を掛けようというお話【HHKBとREALFORCEのレビュー】

リモートワークを始めるにあたって机上の環境を一新することにした。

合計で180000円近い出費を一度にしてしまったため、若干の後悔もあるが
特に今回購入したキーボードが最高だったため、布教するべくこの記事を書くことにした。

HHKBとRealForceの両刀使いという選択肢


実は奮発して高級キーボードを二つも買ってしまった。

ひとつはPFU HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列のブラックカラー
もうひとつは東プレ REALFORCE R2 テンキーレス「PFU Limited Edition」日本語配列 PZ-R2TLSA-JP4-BK ブラックカラーである。

価格を見るとびっくりする方もおられるだろう、何せ合わせて65000円もするからである。

キーボードはピンキリで価格幅が広い。こだわりがなければメンブレンパンタグラフ方式のものを、ちょっとこだわりたければメカニカル方式のものを、余裕があれば静電容量無接点方式のものをという選択肢になるだろう。

私の場合、自分専用のデスクトップPCを買ったときに付属していたメンブレン方式のものを9年近く使っていた。

ただブログ記事を書くなどの長時間打つことには向いていなかったこと、今の仕事を始めるにあたりキーボードを叩く時間が増えることを考慮し、キーボードを探し始めた。

最初に探したのは左右分離型のメカニカルキーボード。
なぜ左右分離型にしたかったかというと、身体に負担を掛けたくなかったため。
両手を開く形にすると負担が減ると聞いたためだ。

ネットで製品情報を集め秋葉原にも何度か通い、実機を触ってみたりしたが、どれもしっくりこなかった。

カニカル方式は赤軸・茶軸等選択肢が広い。軸によって結構打ち心地も打鍵音も異なる。だが打鍵音のうるささが気になったこと(カチカチ感が強いが、静音軸を選べばある程度は解消される)、打ち心地が気に入るものがなかったため他の選択肢に移った。

そこで試したのが静電容量無接点方式のキーボード、有名なのは今回購入した両機種だろう。

とにかくスコスコと表現される独特の打ち心地が凄かった。
誰もが気に入るわけではない(実際、一緒に見に行った友人はこの打ち心地が独特すぎて合わなかったといっていた)が、マッチングがうまくいけば最高のものであることは間違いない。

前置きが長くなってしまったが、両機種の簡単なレビューを行うことにする。

PFU HHKB Professional HYBRID Type-S 日本語配列


いっちゃんええやつの中でもいっちゃんええやつ。それがこのキーボード

HHKBの中にもラインナップが複数あり、この機種はBluetoothとUSB接続に両方対応した最高級のモデルである。

特にこんな方におすすめ。

  • 複数の機器間で共通したキーボードを使いたい
    Bluetoothペアリングが4台+USB接続で1台を切り替えて使うことができる。
    特に切り替えが簡単な点が良い。
  • コンパクトなキーボードが欲しい
    ファンクションキーの出番が少ない、持ち運べるものが欲しい方におすすめ

逆にデメリットも存在する

  • 静音タイプだが、極端に静かではない
    コトトト…というかコツコツ感というのだろうか、独特の打鍵音がそれなりにする。
    カニカルのカタカタ...ターンという高音域が目立つ音とは逆で、あまり耳障りさはないものの静粛さを求めるなら別の製品を探したほうが良いかもしれない。
  • 意外と重い
    コンパクトな反面、持ってみるとこの小ささにしては意外と重いと感じる(820g)
    これくらいの重さだと、バッグやカバンに忍ばせたときに意外と重さを感じるかもしれない。そもそもキートップも高さがあるため、意外と嵩張ると思われる点も注意が必要。
  • キー配置が独特
    HHKBといえば英語配列版を選択する方も多いだろうが、慣れていたこともあり私は日本語配列版を選択した。
    英語配列版にカーソルキーが無いことをご存じの方も多いだろうが、日本語配列版にはカーソルキーがある一方、左ControlがFn・CapsLockがControl・日英切り替えのところがEscになっているなどの通常のキー配置と差異がある。(最下段列もカーソルキーを収めるために若干詰められているためタイプミスすることがある)
    CapsLockは誰も使っていないだろうから、余計なキーを排した合理的設計とも言えるのだが、通常のキー配列に慣れている身からすると余計なお世話だと思わなくもない。(一応裏面にスイッチがあり、キー機能を入れ替えることが可能なため、これをONにして使用している)

自分は気になっていないのだが、キートップに高さがあるため、違和感があるならパームレスト等のサポート器具を使ったほうがよいかもしれない。

あとFnキーを駆使したショートカットも使いたいなら慣れる必要がある。

実はREALFORCEと比較してここが優れていると思ったのが、カーソルキーを使う際に指の移動量を大きく減らせること。日本語配列でもFnキーを使ってカーソル移動をすることは可能だが、独立しているカーソルキーもEnterキーのすぐ下にあるため、ホームポジションからほぼ移動せずに打つことができる。地味な差異だが、これは最高。

東プレ REALFORCE R2 テンキーレス「PFU Limited Edition」日本語配列 PZ-R2TLSA-JP4-BK


HHKBでも静音かそうでないかの選択は出来るのだが、REALFORCEは静音のほかに押下重の選択ができる。

実際に触ってみるとこの差が非常に大きい。私の場合、30gの打ち心地が独特すぎて合わなかったことと、HHKBと押下重を合わせたかったため45g等荷重モデル(というよりキーの仕様はほぼHHKBと同様のリミテッドモデル)を買った。

メリットはHHKBと共通した打ち心地と普通のキー配列であること。

一方デメリットは以下の通りである。

  • 携帯性皆無
    とにかく重い(1.64kg)、USB接続しかないということで、据え置き向きであることに間違いない。
  • キートップが高い
    HHKBとほぼ同じ高さ。おそらく構造上仕方ないのであろう。任意でパームレスト等を付けたい。
  • 黒の昇華印刷はほぼ見えないも同然
    両機種に共通したことだが、昇華印刷は耐久性が高い反面、キー自体がブラックだと印刷された文字がほとんど読めない。ブラインドタッチが出来ないのならホワイトカラーのほうを買ったほうがよい。

REALFORCEのほうが30000円と5000円くらい安く買えるため(HHKBも安価なモデルであれば25000円くらいで買えるが)、携帯性はいらないし普通のキー配列が良いのならREALFORCEを買うことをおすすめする。

REALFORCEはラインナップが多いため、実機を触って合うものを探したほうが良い(高い買い物なので比較検討は必須)

HHKBはサンプルが置いてある店舗が非常に少ないのだが、REALFORCEなら大型家電量販店で取り扱っていることもある(といってもおそらく秋葉原の特権なため、東京以外で実機を触るのは著しく困難かもしれない)

終わりに


実はもう打ち心地が最高すぎて何か書かなきゃと思い、筆を執った次第である。

あと腱鞘炎持ちなため、なるべくダメージが少ないものをと思ったが、一番の療養は指を使わないことだと気づいた(これを書いてる最中も普通に痛い)

自分の場合は何を狂ったのかふたつとも買ってしまったわけだが、左右分離型の機能を求めない場合はどちらかひとつで良い(私も買ってはみたものの、机上のスペースがあまり広くなかったため、同時に使うことは諦めてPCごとに打つキーボードを切り替えたり、マルチディスプレイであることを利用し、打つ画面ごとに切り替える方法で現状落ち着いている→キーボードを2画面間の間に置くと、画面を見るたびに首をどちらかにねじる形になる。これは首にかなり負担が掛かるらしいので身体ごと画面を向いたほうがよいらしい)

一生使えるらしいので、末永く使っていきたいと思う。

機材紹介するよ

誰が見るのかわからない機材紹介

所有しているベースとギターを紹介する

ベース編

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Fujigen NCJB-10R/AL/IK (VWH)

2011年か2012年頃に購入した人生で2本目のベースである.1本目は初心者セットについてくるMavisの安ベースだったのでとにかく弾き心地の違いに驚いた.

当時ハマっていた亀田誠治の66年製ジャズベースに仕様がよく似ていたので購入し,パドルペグに交換,茶べっ甲だったピックガードも赤べっ甲に交換した.

それからしばらくして日向秀和が好きになり,彼のジャズベースタイプに載っていたスタックポットが気になってスタック仕様に交換もした.

ピックアップもフジゲンからSeymor Duncan交換,ブリッジも巡りめぐってなぜか後述するJJ-4についていたゴールドのものを装着している(そのうち戻す予定).

なんだかんだ一番愛用していると思う.

Moon JJ-4

年式不明,2013年に購入

これ以降紹介するものは全て中古品.結構ボロボロなのでおそらく結構古いのではないかと思う.

パッシブ仕様・ピックガードレスでヤフオクに転がっていたものを8万円くらいで落札(ほぼオリジナルか?).

これまだ亀田誠治好きだった影響でアクリルピックガードを装着,アクティブ仕様(XTCTをつけたような気がする)に改造した.

Dチューナーを付け,BADASSブリッジにHipshot KickAssの駒を付けるなどのキメラ化もいいところ.

たまに売りたくなるが,なんだかんだ所有し続けている.

持ってるならせっかくだし金属パーツ類をすべてブラックに変えたい.

PGM PJ-type(型番不明)

2020年に購入,給付金で買った.

ピックアップをEMGからSeymor Duncanに交換した以外は現状入手時のまま.

ただナットの溝切りに若干失敗してるっぽい(幅がバラバラ)ので,そのうちナットも交換する予定.

Fernandes フレットレスJB-type

2015年に購入,これもヤフオク

若干作りが雑だったり,電装系がへたっているものの,めったに弾かないのでなかなか手をかけてあげられていない.

購入して5年間くらい張りっぱなしだったフラットワウンド弦を,2020年にリペアショップに持ち込んだ際にブラックナイロン弦に交換した.何年ものの弦だったんだろう...

ギター編

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FenderJapan JM66

人生で2本目のギター,たぶん6年以上は所有しているはず.友人から買い取った.

ブリッジをああでもないこうでもない,プリセットスイッチをああでもないこうでもないと改造しながら使用している.ピックアップ交換にも手を付けてしまった.

ジャズマスターは手のかかるやつだが,音は好みなので満足している.

ピックアップセレクターに手を付けてしまったが,結局のところ普通のトグルスイッチでいいことに気づいてしまったのでそのうち戻したい.

マスタリーブリッジに交換して,アノダイズドピックガードを装着したい.

Greco SUPERSOUND SE500

ヤフオクを漁っていたら入札衝動が抑えられなくなり購入.

ボディ(ブリッジ付き)とネック(ナットとペグ付き)だけだったものを,電装系を自分で買い漁り組み立てた.

ピックアップは1万円もしない誰が作ったのかもよくわからない奴が載ってるが音はまぁまぁいいんじゃないかと思う.

フロントとリアのミックスサウンドを出したくて回路を弄ってあるため,初見の人が弾くたびに混乱する迷機になっている.

Fender Mexico Alternate Reality Series Sixty-Six

ジャズべシェイプのギター…なにそれ最高じゃんと思ってあれこれ試奏したりデジマートを眺めているうちに,生産完了と共に国内在庫が枯渇し手に入れるチャンスを逃す.

諦めきれずヤフオクとメルカリを巡回する日々の中,よさげな個体が売りに出されていたので購入した.

しかし見た目は好みなものの,設計製造の適当さ加減が鼻につくダメなやつだった.

なぜか効果のない塗り方をしている導電塗料・ピックアップがランクの低い安物(中国製(訂正:メキシコ製)のPlayerシリーズに取り付けられてるやつ)だったりと改造心をくすぐってくる一品.

せっかくなら器用貧乏にしたいのでHSHにしてタップ機能も付けたい.

番外編 手放した楽器達

記憶に残っている中で売ってしまった楽器もついでに紹介しておく

Mavis JB-type

人生1本目のベース.中3の頃に購入して1年くらい弾き倒した.

今は友人の手に渡っている.

Fender Japan JB-75

いわゆる70年代仕様のジャズベース.

なんか音が気に入らない,ネックシェイプが好みじゃないなどの理由で手放した.

Fender Japan JAB-EQ/BLK

フェンジャパがオリジナルで開発しちゃったジャガーベースというやつ.

これもネックシェイプが気に入らなかったりと合わない点が多かったので売ってしまった.

一時期はFender USAに逆輸入されたりしたのに.今や低価格帯にしか残っていないのはちょっとかわいそうな扱いだと思う.

Greco PB450

コンペティションラインにシャンパンゴールドっぽい色合いのプレべだった.

ブラックナイロン弦を張ったりして使っていたが,そのうち使用頻度が減ってしまったため売却した.

Monogram MOP ASH M/BD

いわゆるOPBタイプ.

新品で購入したもののネックとボディを残し,ペグから電装系全般など気に入らない点を全部交換した.改造費だけで新品価格に匹敵するレベルだった気がする.

これも弾く機会が減ってしまったため売却した.

Fender USA American Stander Series Telecaster

人生1本目のギターでFender USAに手を出すという暴挙.

正月のイケベセールで寒空の中一晩耐えて買った奴.

当時の機材周りがしょぼかったせいなのか,自分の腕のせいなのか,持ってもあんまりしっくりこなくて売却してしまった.

終わりに

有機を振り返ると自分の傾向がよく見えてくる.

低・中価格帯の楽器を愛し,気に入らなければ躊躇なく弄り倒すか売っぱらう.

肝心の腕前は一向に上がらないのに,現状維持というものを知らない欲張りな奴だな...

 

ジャズマスターブリッジの不満点と改善点について語らせろ

三度の飯よりジャズマスターが好き

今回はジャズマスターユーザーの100%が一度は悩むブリッジについて語ってみる

現状把握

所有しているFender Japan製ジャズマスター(たぶんJM66)の各寸法を計測してみる

  • 12F弦高:6弦1.6mm 5~2弦1.4mm 1弦1.3mm
  • 指板R:おそらく184R
  • ネックポケットの深さ:15mm(ぐらい)
  • 指板頂点からボディ天面の高さ:11mm(ぐらい)
  • ブリッジ土台の底面からボディ天面までの高さ:5.45mm
  • ブリッジ土台の底面からブリッジ駒頂点までの高さ(6弦側):7.85mm
  • ブリッジ土台の底面からブリッジ駒頂点までの高さ(1弦側)8.3mm
  • バズストップバー~ブリッジ間の弦の角度:だいたい8~10度(弦によって異なる)

ざっくりこの状態だとジャズマスターにありがちなテンション感ゆるゆるの弾きづらい状態は改善される(ネックポケットが若干浅めでシムも付けてなおかつバズストップバーも付けているおかげだと思われる)

標準ブリッジのクソなところ

さて標準で付いてくるスパイラルサドルのブリッジだと以下の問題が生じる

  • 弦が落ちる(バズストップバーである程度対処は可能)
  • ブリッジ土台(凹状)の壁部分の天面と弦が当たる場合がある
  • 壁に当たらないように土台を下げると今度は駒のネジが弦と当たる
  • ブリッジが揺れ動くので調整のたびに位置がずれる
  • オクターブ調整が死ぬほどやりづらい(弦と調整ネジが重なっているためドライバーが差しこみづらい.特にバズストップバーをつけようものならオクターブ調整ネジの頭部と弦とのクリアランスがほとんどないためにドライバーが差せない.L字ドライバーのようなもので頑張るしかないので,誰か正解を教えてほしい)

というめちゃくちゃシビアな調整が必要でクソ

最初に手を打つところ

  • ブリッジを固定する(真鍮等の金属板,養生テープ等)
    筆者の場合は後述するパーツを試したが寸法が合わなかっため,養生テープで巻いて隙間を埋めることで応急対処をしている
  • 駒をムスタング用等一本溝タイプに交換する
    ムスタング用の駒だと標準のものでは各弦の高さ調整が不可能.
    ただし調整可能なものも売られているため,こちらに交換することをおすすめする

ただしこれらをしても不満点がすべて解消されるわけではないので,次の対策に移るユーザーもいるだろう

第二の選択肢 ブリッジ交換

  • TOMブリッジ
    よくあるブリッジ交換の手法として用いられるチューン・O・マチック(通称:TOM)ブリッジへの交換
    スタッドアンカーの打ち直しなど手間がかかるため敬遠されるパターンも多いが,無改造で取り付け可能な方法もあるにはあるので下記に示す
  • GOTOH:PGE-103BTC
    こちらもTOMタイプだが,ブリッジを支える支柱がセリアゲタイプではなくスタッドタイプになっている.このスタッド径が8mmで日本製のジャズマスター用スタッドアンカーと内径が同一なのですっぽりハマる可能性がある.
    ただしこのブリッジだとスタッド間の寸法は74mm.一方ジャズマスターのスタッド間の寸法は73mmと微妙に差があるため,仮にブリッジ部分の装着穴とスタッドをブリッジに差す部分がカチカチに作りこまれていて隙間がない場合は装着が難しい可能性もあり.人柱必須
  • 工業用パーツを使ったスタッドの代用品(ホシモト丸型スペーサーEO-420)


    すでに先人が市販されているパーツで代用できないかを試していた.
    こちらもスタッド径は8mmなので日本製のミリ規格品であれば装着できる可能性が高い.パーツ自体も大変お安くモノタロウで買い求められるため選択肢には十分入るのではなかろうか.

  • POPTUNE:PTB500RT/C
    ここまで紹介した無改造の方法だとほぼ日本製のものしか合致せず,インチ規格(約7.8mmのスタッド内径)で作られている製品だと取り付けが不可能だった.
    ということで完全にTOMから離れてしまうが,スタッド径が7.8mmでUSA製等のジャズマスターでも取り付けられるブリッジを紹介したい.
    実物は見たことがないが,写真を見る限りローラーサドルな上にブリッジも完全に固定されるので良い選択肢ではなかろうか.

だがそれでもオクターブチューニングのしづらさは,解消してくれない可能性が高い(少なくとも構造を見る限りは)

最後の砦 マスタリーブリッジ

ジャズマスターブリッジのリプレイスメントパーツとしては最高峰そして最後の砦ともいえるマスタリーブリッジ.もうこれしかない.

  • Mastery Bridge M1/M2
    M1がインチ規格,M2がミリ規格になっている.とにかく頑丈そうな構造,そしてオクターブ調節ネジが合わせて4個しかない.つまり,ネジが弦と干渉することが無くなる(ネジ自体は六角レンチで回すようだ).
    TOM系統の製品より元のジャズマスターブリッジの構造に寄せているが,ブリッジ土台の壁が低くなっているため,弦と干渉することもない.
    つまり超優秀なのだ.だが欠点もある.
    高額なことと,厳密な弦高調整やオクターブ調整ができないことである.
    というのもサドルが6,5,4弦と3,2,1弦でそれぞれ共通化されているためサドルが2つしかない.現在のエレキギター用の弦ならば6~4が巻き弦で3~1がプレーン弦なので,ギターの状態が適切であればサドルの向きは6弦側から//という感じになるため,そこまでの支障はない.ただ構造上5,2弦が弦高・オクターブ調整ともに多少は犠牲になるのは致し方ない.それを差し置いても良いパーツなはずだ.

番外編 ブリッジ周辺の追加パーツ紹介

  • バズストップバー
    ジャズマスターあるあるのだるだるなテンション感を解消するための第一選択肢はこれだろう.比較的安いのでコスパはいい.ただ普通のブリッジだと更にオクターブ調整がしづらくなるのがデメリット(ブリッジを回転させてネジ頭がネック側を向くようにするという工夫をすればいいパターンもある)
  • Retro Tone Pickups:Bridge Fixing Bush for JM,JG,MG
    ブリッジポストとブリッジスタッド間の隙間を埋めて固定させるためのパーツ
    筆者もこれを導入したが,装着していたブリッジのポスト径が6.6mmと微妙に太かったため装着できず断念した経緯がある.購入前に寸法を測ることは必須. (最近のFender USA製アメプロやアメプロⅡなどに同様の働きをするパーツが載せられているのを実際に確認している. fender側も改善したかったということか)

閑話 変わり者ブリッジシリーズ

ジャズマスターブリッジにも一見すると風変わりなものがある.

それをご紹介しておきたい.

  • Fender Custom Shop:RSD Jazzmaster / Jaguar bridge


    www.facebook.com

    2サドルであることはマスタリーブリッジと共通するが,構造を見ると全然調整できるところが少なさそうである.特にオクターブ調整どうやんねん.
    真鍮製のサドルならレトロトーンなどで売っているため,あえてこれを搭載する利点は少ないと唱えたい.(いつか実機を触って細かい構造を見てみようと思う)

  • Fender Cutstom Shop:名称不明ブリッジ

    www.instagram.com

    2サドルでビビることなかれ,ついに1サドルのブリッジが登場だ!
    詳細は不明だが,Fender Custom Shopのマスタービルダー:デニス・ガルスカが制作した品だと思われる.
    ジャズマスター唯一の利点,各弦ごとにできるオクターブ調整をかなぐり捨ててまで作り上げたこのブリッジ.ぜひ一度弾いてみたい.

終わりに

とりあえずジャズマスターユーザーが解消すべき点は弦落ちとブリッジの固定の2点ではなかろうか.

ということでサドル交換と上記パーツや養生テープ等でブリッジポストを固定してみてほしい.

それだけでもQOGL(Quality of Guitar Life)は爆上がりするだろう.

なお筆者は欲が出てきたのでそのうちマスタリーブリッジに交換する予定だ.

交換後にまたレビューをしたいと思う.